湯シャンと並んで人に言いにくい生活習慣の代表格と言って差し支えないのが断食だろう。
食を取るというごくごく当たり前の生活習慣を真向から否定するのだから理解されなくても無理はない。そしてそんな理解しがたい行為を定期的に繰り返してしまう人がいる。
わたくしだ。
ここではわたくしが実践した断食の感想を記録していこうと思う。
★★★★★ …生まれ変わってもやる
★★★★☆ …一生続ける
★★★☆☆ …基本続ける
☞ ★★☆☆☆ …たまにやる
★☆☆☆☆ …やらない

これも人に言いにくい行為が大好きな星の下に生まれてしまった者の勤め。
断食について
その名の通りある一定期間で食を断つ行為であり、またの名をファスティングとも呼ぶ。
ファスティングというとカジュアルな断食のように捉えられがちだが意味は同じである。念のため。
ただそう呼んだほうが先進的でスタイリッシュなイメージがあるので好まれるのだろう。

わたくしファスティングをしているんですよね。

知ってる!美容に良いやつですよね!

わたくし断食をしております。

修行僧かな?
このくらいのインパクトはある。
断食の目的と効果

内臓を休める
一日三食は多いという話を聞いたことはないだろうか。わたくしも三食は多いと思う。
というのも、一日三食を食べ続けることで胃腸をはじめとしたわたくしたちの内臓は常に稼働状態となっており、実は休まる暇がない。
このようなブラック企業丸出しの労働環境になると、内臓は忙しすぎて本来の各器官がもつ消化・吸収や毒素の排泄といった各処理が十分に実施できなくなる。結果、体の不調や代謝の低下などつまり体の全体に常時デバフがかかった状態になる。
こうした労働環境を改善するために内臓を休めるという行為はとても大事なのだ。

つまり内臓にリフレッシュ休暇を与えるようなものだと思えばいい。
そして復帰後はまた社畜としてバリバリと働いてもらおう(ニチャァ
これによって内臓は本来のチカラを発揮できるようになり、腸活にもつながる。
結果、体調の改善やアンチエイジングなど健康・美容効果を得られるのだ。
ダイエット
誤解を招かないようにしないといけないが、食を断ち内臓が適切に胃腸の中身を排泄することで当たり前の話だが体重は落ちる。
ただしこれは以下による一時的な体重減少であるため、断食後は失われた体重の多くはまた元に戻る。
●排泄物が外に出て新しいものが入ってこない
●糖質が持っていた水分が対外に出た
それを踏まえた上でなおダイエット効果があると考えており、わたくしの経験則を記載する。
脂肪燃焼効果
一般的な人は糖質(炭水化物)をメインのエネルギー供給源としている。
しかし断食して数日も経過するとエネルギーとして使用できる糖質が体から無くなるため、今度はエネルギーの供給源として体内の脂肪を分解して使用するようになる。
そもそものお話としてお腹に貯まった脂肪自体がエネルギー不足時の予備供給源なのだから当然の流れであり、これによってわたくしたちは何も食べずとも一週間以上も生きていけるわけだ。
こうした理由から断食の継続によって徐々に体の脂肪が削られていく効果が期待できる。
小食効果(食欲リセット)
これこれ。
わたくしが断食をしようと思うきっかけはいつもこれ。
わたくしはよくこう思う。

食欲のコントロールって難しくないだろうか…?
一度何かのきっかけである程度の量を食べてしまうと、その後はその量を基準として食欲が増加してしまう…ということは無いだろうか。
いわゆる胃が大きくなるってやつだが、この一度広がった食欲を日常生活の中でコントロールするのは正直至難だと思う。
ただ、わたくしの経験的に「食べる量を減らして食欲を抑える」のは非常に困難だが、逆に「一切食べない」と割り切ると案外楽にやれるものである。
この結果として断食後は以下のように食に対して非常に慎ましく整っていることが実感できるだろう。
・食欲自体が相当無くなっていること
・一気に食べずゆっくり丁寧に食べるようになること

もしかして断食後は「ヒャッハー目的達成したぜー!腹ペコだあ!食いまくってやるぜえwww!!」みたいになるのを想像してた?真逆だよ。
こんな具合に広がってしまった食欲と乱れてしまった食生活を正す効果が断食にはあるので、最近食生活や食欲が乱れがちだなと思った時に断食を実践することも少なくない。
一時的な体重減少はまた戻ってしまうけれど、こんなふうにコンパクトな食欲や食生活を維持できれば自然とその後体重は落ちていくはずである。
断食の期間

断食それ自体は行為でしかないので明確な期間の基準は存在しない。
取り扱う人や組織、目的により割とバラバラではあるが、得られる効果を踏まえると概ね以下だろうか。
●スポット(1日)
常時稼働している体内器官が一旦休まる。
手軽に胃腸を休めたい場合。
●短期(2~3日)
体内の不要物が排出されて便が黒くなるのがこのあたり。
デトックスを期待する場合。
●中期(4~7日)
体内のエネルギー消費が脂質に切り替わるのが4日目あたり。
脂肪燃焼を期待する場合。
切り替わってすぐにやめるのはもったいないのでここから体調と相談で何日か実施。
●長期(8日~)

1週間以内で終えるくらいがちょうどいいかなという印象。
余談だがわたくしが行くマッサージ店のおじさんは一か月くらい断食したりするらしい。
断食中の飲み物は?

断食中はあくまで胃腸を休める目的がメインになってくるため、カロリーを全く摂取しないというわけではない。
断食中の水分摂取については以下のようなパターンがあると思う。
①水分も摂取しない
②水または塩水のみ摂取する
③酵素ドリンクも摂取する
④お茶や無糖コーヒー、無糖炭酸水あたりも摂取する。
⑤野菜ジュースも摂取する。
水分から多くの栄養を摂取したり、あるいは刺激するようなものが多く含まれている飲み物は胃腸にある程度の負担がかかってしまう。
とはいえ水分に関してはそこまで厳密にやる必要もないかな、とわたくしは思っている。カフェインは利尿作用があるので敬遠する人も多いけれどわたくしはあまり気にしていない。
わたくしは②をベースとして④を取り入れているくらいかなと。
①は修羅過ぎて全く試す気にはならない。
③も良いかなとは思うがビジネス臭がするので今はやってない(あれ高い)
⑤このあたりになると糖分も含めて栄養摂取量が多くなってきて微妙かなと。
実践した感想

では実際に断食するとどうなるのか?についてわたくしの実績を踏まえて記載してゆく。
体や精神の状態に応じて三分類しているので、あーこんな感じなんだなと参考になれば幸いである。
開始1~2日:初期
食欲はあるのに食べ物が入ってこないため、胃が悲鳴を上げる。精神的にいうとこのあたりが最もキツイ。
とにかくお腹が減るしグーグー鳴る。続けようか諦めようか何度も迷う時期だと思ってよい。
ここが最初の正念場であり、おそらく大多数がここで脱落して冷凍庫のアイスに手を伸ばすことになるだろう。

そして彼らは言うのだ。断食なんて意味がないと。
とはいえ無理も禁物なのは言うまでもない。
ある程度胃腸は休まっているのは確かなので、自分には向いていないと判断したらUターンするのも一つの手だ。
開始3~4日:移行期
この頃から徐々に空腹に慣れて案外苦痛ではなくなってくる。
その一方で体調を崩しやすい時期になり、肉体的にはこのあたりが最もキツイ時期。
「なんでこんなに我慢して断食なんてやってるんだっけ?」と自問自答する時期でもある。
というのも多くの人がメインのエネルギーとしている糖質が不足することで、脂質を分解するケトジェニックモードに体が変化するために体に様々な反応が起こるのである。
※わたくし自身も糖質制限中(ケトジェニックモード中)に断食をするとこの反応はかなり薄かった。
ここが二度目の正念場であり、この過程で一時的に以下が発生する場合がある。
●頭痛
●めまい・たちくらみ
●腹痛・下痢
●倦怠感
個人差はあるだろうが、倦怠感についてはほぼ全員出ると思う。
こうした不調はこの後に訪れる安定期を迎えるための一時的な好転反応として捉えられるが、もちろん無理は禁物なので本当に無理だと思ったら遠慮なくエネルギーを摂取した方がいいだろう。
また、働いている人はこうした時期を週末に迎えるなどを少し考えた方がいいかもしれない。

わたくしはこのあたりでよく腹痛と下痢に悩まされる。
おそらく腸がデトックスしようとしているのだろうが、頻繁にトイレに駆け込むことになる。
開始5~7日:安定期
移行期による体の不調が落ち着き安定してくる時期。
頭痛や腹痛から解放されるとともに、もはや食を摂るという行為自体に抵抗や違和感を覚える時期(マジで)。
体内のエネルギー消費は糖質から脂質に変わり脂肪が分解されていく。
また、食を摂ってないのだから当然だが、明らかにお腹がへこんでいるのがわかるため少し嬉しい気分になる。
なおこのあたりから自分でもはっきりわかるほど口臭がキツくなる。
歯磨きとか舌ブラシとかそういうレベルではない。
マスク越しですら手で覆って距離を取らないといけないほどと自分は感じた。

個人差はあると思うけれど、いろいろな人と接する生活の人は口臭を感じたらすぐやめた方がいいかもしれない
なお仕事は問題なくこなせるが、体力的には落ちているので元気ではあるが少ししんどいという微妙な感覚。
自分の体調と相談しながらいつ頃切り上げるかを考える。
まとめ
規則正しい食生活を送り、胃腸も適度に休ませるようコントロールしていると断言できる人は少ないと思う。
多忙な日常生活の中で知らず知らずのうちに内臓を酷使し、いつの間にか思ってもないダメージを追っている人も多いのかもしれない。
そんな現代人にとって断食は大きくQOLが増加する可能性も十分に秘めており、わたくしの実践経験がこれから実践する人の参考になれれば幸いである。