「冷水を浴びると健康に良い」という話を耳にしたことは無いだろうか。
●冷水を浴びるとダイエット効果がある
●冷水を浴びると美容効果がある
●冷水を浴びるとメンタルが強くなる
●etc…
とはいえ、実際にそのような効果が得られるのだろうか…と考えてしまうのも無理はない。
というわけで、日常的に冷水シャワーを浴びているわたくしから、浴び続けるとどのような変化が現れるのかを共有したいと思う。
冷水シャワーとは

その名から内容を想像するのは難しくないだろう。
冷水のシャワーを全身に浴びることで健康効果を手に入れようぜというまあまあ手を出しにくい生活習慣である。
シンプルに身体を冷やす、という習慣については以下のようなものが類似としてある。
●サウナ後の水風呂
●運動後のアイシング
サウナ後の水風呂は主にメンタルのリフレッシュを目的として、運動後のアイシングは筋肉の回復を促進する目的として、それぞれ広く愛用されている。
熱くなった状態を冷やすことでポジティブな効果を手に入れるという行為そのものは様々なところで行われているメジャーな行為だが、日常に取り入れやすい習慣として入浴後の冷水シャワーを取り入れようぜというのがこの生活習慣の主旨となる。
では、体を冷やすという行為にどのような効果があるのだろうか?
インプット情報

わたくしとて、何の情報もなく突然冷たいシャワーを浴びるほどヤンチャなわけではない。
健康関連の書籍を読み漁る過程で、体を冷やすことに関する書籍をいくつか目にしたことがきっかけで始めた背景があるのでいくつか紹介する。
体を冷やせば健康になる
冷水生活を愛する著者が、人が細胞レベルで若返り健康になるためには冷水による刺激を与えてミトコンドリアを活性化させる必要があると説いた書籍。
冷水シャワーのほか、糖質制限についても記載している。
ICEMAN 病気にならない体のつくりかた
ヴィム・ホフという冷水界隈では非常に有名な人物を調査した内容。
・氷点下の湖を泳ぎ回る
・雪山を上半身裸でフルマラソンする
彼を中心とした冷水の健康効果について記載している。
また、冷水シャワーのほか呼吸法についても記載している。
いずれの書籍も冷水を浴びることが人体にどれだけ有益かという点を惜しみなく記載しており、タイトルに反して熱い書籍である。
ただしいずれも中心となる人物は極寒の水の中を泳ぐような達人レベルなので生活そのものを真似するハードルは非常に高い。特にヴィム・ホフは50歳を超えていながらマイナス16度の北極圏をショーツとサンダルでフルマラソンするというヒエヒエの実でも食べたのではないかと疑いたくなるレベルに達しているので到底真似はできないし素人が真似してはいけない。
とはいえそこから少し掘り下げて常人でも対応出来れるレベルの実践方法や、体を冷やすことの恩恵についても記されているため参考にしてゆきたい。
冷水シャワーにより身体が示す反応
一般的に冷水シャワーを浴びると人体にどのような作用があるかについては概ね以下に分類されるようだ。
●血行の促進
●細胞の活性化
血行の促進

冷水シャワーを浴びることで得られる代表的な効果として、血管が収縮することによる血液循環の促進が知られている。
身体を冷やすと血液の循環は悪化しそうなものだが、実際はそうではない。
むしろ人間の身体は冷やされると、それを温めるために血流を増やすという効果があるようだ。これによって新鮮な酸素と栄養素が細胞に供給され、代謝が活発化することになる。
結果として得られる効果には以下のようなものがある。
●酸素や栄養素が全身にいきわたることで疲労回復効果が期待できる。
●手足等の末端部分が暖かくなり冷え性の改善が期待できる。
●皮膚の代謝が良くなることで美肌効果が期待される
●筋肉の緊張が緩和されることで頭痛や肩こりの緩和が期待される
細胞の活性化

冷水による刺激が加わることで、人体に存在する細胞や、細胞内のミトコンドリアが活性化することが知られる。
細胞が活発すると聞くだけで健康効果は高そうだが、これにより期待される効果には次のようなものがある。
●脂肪細胞の活性化による脂肪燃焼効果
●免疫細胞の活性化による免疫力の向上
●ミトコンドリア機能の正常化によるアンチエイジング効果
冷水シャワーにより得られるメリット

人体に現れる影響を踏まえた上で一般的に冷水シャワーを浴びることで得られるメリットを掘り下げる。
脂肪燃焼効果
冷水シャワーを浴びることで脂肪燃焼効果が期待されるという。冷水シャワーを浴びるくらいで…と思いたくもなるが、ここには二種類存在する脂肪細胞が関係してくる。
●白色脂肪細胞 …脂肪を蓄える役割りを持つ脂肪細胞。
●褐色脂肪細胞 …脂肪をエネルギーに変換する役割を持つ
ここで重要なのは褐色脂肪細胞であり、これはさらに以下のような特徴を持つ。
・エネルギー生産器官であるミトコンドリアが細胞内に多数存在する。
・体温調節において重要な役割を担っている。
このような性質から、褐色脂肪細胞は体が冷えた際に脂肪を燃焼することで体を温めるという非常に有り難い機能を持つ脂肪細胞だ。従って、冷水シャワーで身体を冷やすことで褐色脂肪細胞内のミトコンドリアが活性化され、脂肪酸が燃焼されることで体温の上昇を促すといった動きが期待される。
このプロセスは「非体感性熱産生」と呼ばれ、褐色脂肪細胞によって生み出された熱が全身に伝わることで体全体の代謝が促進されるとされている。

なお褐色脂肪細胞は体の中でも首や肩甲骨周りに多く存在するとされている。
アンチエイジング効果
冷水シャワーを浴びることでアンチエイジング効果も期待できるという。これには、冷水シャワーを浴びることで細胞内のミトコンドリアが活性化することに起因する。
ミトコンドリアはエネルギーを生産する重要な機能である一方、その過程で生じる活性酸素種が細胞にダメージを与え、結果として老化の促進や免疫機能低下の原因となることが知られている。
ミトコンドリアが正常に機能している場合はこうした細胞ダメージを修復する機能が高まるため、アンチエイジングや免疫力の向上において密接な関係にあると言える。
免疫力の向上
冷水シャワーには免疫力をも高める効果があるという。
●病気にかかりにくくなる
●病気にかかっても軽症化する・回復が早くなる
体内に侵入する病原体と戦う免疫細胞にもミトコンドリアは存在しているが、外部からの刺激に対して迅速に反応するためにエネルギー供給が必要である。このエネルギーを供給するためには適切な数の機能的なミトコンドリアが必要になる。
従って冷水シャワーで免疫細胞を刺激し、細胞内のミトコンドリア機能を正常に保つことで免疫力の向上が期待される。
また、習慣的に冷水シャワーを浴びる人は重要な免疫細胞である白血球の数が多いことが確認されているという。
美肌効果
冷水シャワーを浴びることで以下のような美肌効果が期待される。
- 血行促進効果:冷水は血管を収縮させ、血行を促進する効果がある。血行が良くなることで栄養や酸素が皮膚に行き渡り、代謝が活発になるとされている。また、老廃物や余分な水分が排出され、肌のターンオーバーが促進されるため、肌がツヤや透明感を取り戻しキメが整う効果が期待される。
- 保湿効果:冷水には肌の水分を保つ効果がある。冷水で洗顔することで、肌の表面にある皮脂や汚れを除去しながら、水分を奪わないようにすることができる。また、冷水に含まれるミネラルが、肌の保湿力を高める働きを持っていると言われている。
- 炎症を抑える効果:冷水には、炎症を抑える効果がある。肌トラブルの原因の一つである炎症を抑えることで、肌荒れやニキビなどを改善することが期待される。
疲労回復効果
冷水シャワーには疲労回復効果も期待される。
冷水により体温を下げることで代謝を促進し、血流を改善することができる。これにより以下のような効果が期待できる。
- 疲労物質の排出:筋肉疲労の原因である乳酸は、冷水により排泄されることが知られている。例牛によって血管が収縮し、血流が増加することで乳酸やコルチゾールが排出され、筋肉の疲れが和らぐ。
- 栄養の供給:筋肉に酸素や栄養素が十分に供給され、疲労回復効果が得られる。
つまり不要なもの排出し、必要なものを取り込む力が増強する。

筋肉疲労に対して冷水は鉄板で、一部アスリートはワークアウト後の疲労回復を目的として氷風呂に入ることもあるという。
メンタルヘルス改善効果
冷水シャワーを浴びると心身的なリフレッシュ効果だけでなく心理的なリフレッシュ効果もあり、次のようなメンタルヘルスの改善が期待される。
- 集中力の向上:冷水シャワーにより交感神経が活性化されることで、頭がスッキリとした状態になり集中力の向上が期待される。
- ストレスの改善:冷水シャワーはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制するとされている。これによってストレスに対する身体の反応が軽減されるとされている。
- 抑うつ症状の緩和:冷水シャワーにより体内のエンドルフィンが分泌されるため、気分がリフレッシュされて抑うつ症状が改善されることがある。

前向きな気持ちになってバリバリ頑張れるわけだな
実践した結果

ここではわたくしが実際に冷水シャワー生活を1か月ほど実践した感想を残す。
体に現れる反応
わたくしは入浴後の冷水シャワーを日課としているが、浴びた後は以下のような変化がみられる。
●冷水を浴びた部分の肌が赤身を帯びる
●身体がポカポカして寧ろ暖かくなる
●痒みをともなうこともある
冷水を浴びたにも関わらず身体は紅潮して熱くなるのはなかなか面白い体験だ。
3月頃の寒い時期であっても、冷水シャワー後は体が熱いのでしばらくは暖房器具すら不要で裸で過ごせるレベルだった。

服は着ろ。
入浴して体内を温めたのちに冷水シャワーで表面を冷やすことで、毛穴を閉じて熱を逃がさないようにするとともに、体温調節機能が働いて内側ではエネルギー代謝が行われた結果だろう。
また、稀に痒みを伴う点は(サウナでも発生するように)体内の血行が活性化したことに起因するものとみていいだろう。
この時点ですでに何らかの作用がわたくしの肉体に働いているのだなと実感できる。
体感した健康効果
一般的に得られるとされる健康効果に対して、わたくしが実感したものを記載する。
□脂肪燃焼効果
□アンチエイジング効果
□免疫力向上効果
✓美肌効果
□疲労回復効果
✓メンタルヘルス改善効果
たった二つだけかいという話だが、そもそも冷水シャワーで得られる健康効果は実感しにくいものばかりなため仕方がない部分はある。
「ヒャッハー!オレの中の免疫力がギュンギュン爆上がりするのを感じるぜえ!」
「ウヒャヒャ!今オレの中の白血球がドクドク増加してるぜえ!」
みたいな人はなかなかいないだろう。
数年ほどこの生活習慣を実施した結果、「冷水シャワーを始めてから病気にかかりにくくなった」のように長期的な目線で評価する必要はあると思うので継続して効果のほどは確認したい。
その一方で、現時点でも効果を感じられているものには以下のようなものがある。
美肌効果
明確な数値があるわけではないが、冷水シャワーを実践してから肌が綺麗になったという実感を得ている。
冷水シャワーを始めて数日後には「あれ?なんだか最近肌の感じがいつもと違うな」と感じた。
特にわたくしは美肌効果を期待して冷水シャワーを始めたわけではないので注意深く肌の様子を見ていたわけではない。にもかかわらずこの効果に気付いたというのは実際にキレイになっているということなのだろうと思う。

「あっ、もしかして冷水シャワーの効果なのかこれ」と気付いた感じ
わたくしは元々肌が白い方だが、それが妙に白くて綺麗になった印象。
おそらくだが美肌効果に記載したように、血流が改善されたことで肌に栄養素がいきわたったのではないかと考えている。
メンタルヘルスの向上について
多くの人が一番効果を実感しやすいのがこれだと思う。
良く知られているように冷水は自律神経に作用し、特に交感神経を刺激する効果がある。冷水シャワー後は交感神経が優位になるため、わたくしも冷水シャワー後は以下のようになる点を実感している。
●頭がスッキリ冴えて、アイデアが湧く
●意欲的になり、後回しにしていたものに取り組む
●集中力が上がり、仕事やブログ執筆等が捗る
つまりダラダラ過ごすのではなくシャキッとするイメージ。
常にこの効果を発揮できればどれだけ人生が捗ることだろうか。この効果を目的として、毎朝の仕事前に冷水シャワーを浴びておくのも良い選択肢の一つだと考えているし、実際に毎朝冷水シャワーを浴びる人もいるらしい。
まとめ
以上が一般的な冷水シャワーの効果、およびわたくしが実践した結果である。
次のようにまとめつつ、今回の報告を終えたいと思う。
●冷水シャワーは、身体に刺激を与えることで様々な健康効果が期待できるとされている。
・ストレス軽減や免疫力アップ、ダイエット効果、気分改善効果など
●実践したところ、身体の変化は認めれらたし一部健康効果も確認された
・お肌が綺麗になった
・冷水シャワー後はシャキッとして仕事が捗るようになった
ただし、急激な温度変化による体調不良を起こす可能性があるため、注意が必要な生活習慣であることも確かだ。適度に実践して健康維持に役立てたい。